作家・宇佐美雅浩さん。ただいまキプロスで制作中!
欧州文化首都2017の開催地であるキプロスでは
日本人アーティスト方々も関連イベントのために
1年を通して、たくさんいらっしゃっています。
作家の宇佐美雅浩さんも今年の12月の作品展に向けて、
約1か月以上ニコシアに滞在中です。
宇佐美さんは20年以上にわたり、「Manda-la」というシリーズを制作されています。
仏画の曼荼羅がひとつの画面で仏教の世界観を表すように
宇佐美さんのManda-laシリーズでは、主人公を中心として
その主人公を取り巻く世界を、1枚の画面で表現します。
宇佐美さんの作品は、合成は一切なし、カメラのシャッター一発勝負。
画面の中には様々な要素が必要で、
それらを同時多発的に一箇所に集約しなければなりません。
今回、初の海外制作となるキプロスでは
キプロスの南北分断問題を積極的に起用。
センシティブな部分であるがゆえ、
予想以上に大変なのは、
場所によって状況や条件が違うことです。
キプロス共和国、北キプロス、UN管理の地域、、と
地域によってもルールが異なるので、確認作業や許可取りにも時間がかかります。
たくさんのキプロス人の協力のもと、毎日奮闘されています!
先日も、新たに衣装や小道具を担当してくれることになった
シアターデザイナーのソサナさんに、コンセプトなどの説明。
こうして、ひとりひとりに丁寧に説明していくことが大切な過程だということです。
現地サポーターとして、わたしもお手伝い。
その中でいろいろな珍しいところへも連れて行ってもらっています。
例えば、UN管理のバッファゾーン(Buffer Zone)内のニコシア空港。
南北分断の1974年からフリーズしたまま。
43年という月日は長く
残されたキプロス航空の飛行機の中は、野鳥の住処になっていました。
ここは北側地域にある元米軍基地です。
分断問題が起きる直前に米軍はいなくなり廃墟となったそうです。
キプロスのこういった地域に行くと、「小国」というものが
大きなものから、いかに翻弄されているのかを感じます。
生活している中では訪れる機会のないところに行けたり、
ふだんはあまり話さない南北分断問題について現地の方から話が聞けたり。
キプロスについて、より深く知る機会になっています。
また今後も宇佐美さんの制作現場をレポートしていきたいと思っています!
お楽しみに!
<関連ページ>
■作品展情報
・会期:12月14-24日 8:00-17:00
・会場:Ibrahim’s Khan, Pafos
・詳細:http://www.pafos2017.eu/en/event/japanese-eyes-on-cyprus/?lang=el
・入場無料
・首都ニコシアへも巡回予定
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